Binanceで利用可能なステーキング方法
Binanceでは、4種類のステーキング方法を提供しています。
- 定期ステーキング(Locked Staking)
- DeFiステーキング(DeFi Staking)
- ETH2.0ステーキング
- フレキシブル/定期セービング(Flexible/Locked Saving)
定期ステーキング(Locked Staking)とは
ステーキング(ロック)に必要な保有量の有無 | 銘柄の種類 | リスク |
有り | 多い | 低め |
定期ステーキング(Locked Staking)とは、ある一定期間Binanceに保有する仮想通貨を預けるステーキング方法です。
定期ステーキングをする際は、ステーク(ロック)する期間を選ぶことが可能です。
ステーキングするために必要な仮想通貨の保有数もそこまで多いため参加しやすく、また変動率も少ないので、リスクは低めです。
なお、定期ステーキングをした場合は、ステーク解除(償還)申請した時を起点に、ステーク(ロック)期間が過ぎてから、保有する資産が返却されます。そのため、ステーク期間中はステークした仮想通貨を自由に動かすことはできないので注意が必要です。
DeFiステーキング(DeFi Staking)とは
ステーキング(ロック)に必要な保有量の有無 | 銘柄の種類 | リスク |
有り | 少ない(13銘柄) | 高め |
DeFiステーキングとは、13銘柄限定のスマートコントラクトを利用したステーキングサービスです。
通常のDeFiサービスは、保有する仮想通貨のステーク(ロック)量に制限があったり、資産の紛失リスクがあるなど、一般の利用者には利用が難しい面があります。
そこで、そのようなDeFiサービスをBinanceが利用者に代行して運用するのが、DeFiステーキングです。
現在Binanceでは13銘柄のDeFiステーキングを提供しています。
【DeFiステーキングの銘柄】
- BUSD
- ETH
- BTC
- DYDX
- AAVE
- USDT
- USDC
- SXP
- LINK
- HARD
- XVS
- DAI
なお、BinanceではDeFiステーキングに関して、以下のリスク警告を出しています。
バイナンスはユーザーに最高のDeFiマイニングプロジェクトのみを提供するよう努めています。しかし、バイナンスはプロジェクトを紹介し、ユーザーに代わって資金へのアクセスや収益の分配などの関連サービスを提供するためのプラットフォームとしてのみ機能します。バイナンスはプロジェクトのオンチェーンコントラクトのセキュリティ問題により発生した損失については責任を負いません。
出典:Binance
リスク警告の内容を簡単に言うと、「各DeFiステーキングのサービスで問題が起こっても、Binance側は補償などの責任は取らない」ということです。DeFiステーキングを利用する際は、自分で投資する銘柄のプロジェクトをなどを事前に確認しておきましょう。
ETH2.0ステーキングとは
ステーキング(ロック)に必要な保有量の有無 | 銘柄の種類 | リスク |
有り | ETHのみ | 低め |
ETH2.0ステーキングは、ETHのステーキングに特化したサービスです。
元々ETHは、マイナーによってETHを新規発行するPoW(プルーフオブワーク)コンセンサスを利用していました。しかし、PoWにおけるマイニングでの多量の電力消費が環境問題として指摘されるようになり、2021年にETHの運営コミュニティはETHのアルゴリムをPoWからPoS(プルーフオブステーク)に変更しました。
PoSは、ETHを一定数保有するノードがETHを新規発行するため、マイニングによる多量の電力消費を必要としないことが特徴です。また、ノードを動かすバリデータが報酬をもらうステーキング機能がETHにも実装された結果、ETHでもステーキングが可能となりました。
ETHステーキングは、以下の3ステップで進行します。
- ETHをステーク:ステークされたETHの1:1の比率で対してBETHをトークン化して付与
- 報酬の配布:BETHのポジションに応じて、オンチェーン報酬を定期的に配布
- ETHを償還:第1フェーズが完了しETH2.0がシャードチェーンを実装したら、保有するBETHと1:1のETHを償還
ETH2.0ステーキングの報酬は、BETHで現物アカウントに毎日分配されます。
なお、BinanceのETHステーキングは、ETHに分散型機能であるシャードチェーンが実装されるまでに、ETHをステークすることで、ETHと1:1のBETHを保有します。シャードチェーンが実装予定の約2年後に、保有するBETHと同額のETHが付与されます。そのため、シャードチェーンが完全に実装されるまではステークしたETHを償還することはできないので注意が必要です。
フレキシブル/定期セービング(Flexible/Locked Saving)とは
ステーキング(ロック)に必要な保有量の有無 | 銘柄の種類 | リスク |
有り | 多い | 低め |
フレキシブル/定期セービング(Flexible/Locked Staking)とは、定期ステーキングの1種です。アプリで利用可能なステーキングは、このフレキシブル/定期セービングです(定期ステーキングは、PCのみ対応)。
定期ステーキングとの大きな違いは、ステーキング(ロック)期間が無いことです。
定期ステーキングでは、償還申請をしてからステーク(ロック)期間は仮想通貨を引きだすことはできませんが、例えばフレキシブルセービングの場合は、いつでも好きなタイミングでステークした仮想通貨を引き出すことができます(毎日07時50分~08時10分 HKT を除く)。
また定期ステーキングのステーク(ロック)期間は15日、30日、45日であり、期間が長いほど、利回りは高くなります。加えて、定期セービングではステークした仮想通貨はいつでも償還できますが、ステークの満期日より前に償還すると、報酬が没収されます。
フレキシブル/定期セービングの違い
フレキシブル/定期セービングは、それぞれ異なります。
特にステーク(ロック)期間と、それに比例して利回りが異なります。
フレキシブルセービング | 定期セービング | |
ステーク(ロック)期間 | 無し | あり |
利回り | 低い(0.4%~5%) | 高い(10%~30%) |
報酬の付与タイミング | 毎日 | 毎日 |
償還 | いつでも可能 | いつでも可能。ただしステーク満了日前に償還すると報酬は没収される。 |
引き出し手数料 | 無し | 無し |
Binanceでのステーキングのメリット
Binanceでのステーキングのメリットは、以下の3つです。
- 様々なステーキングサービスを利用できる
- 独自ウォレットへ送金する必要が無い
様々なステーキングサービスを利用できる
Binanceでのステーキングのメリットといえば、やはりその豊富なラインナップです。
定期ステーキング、DeFiステーキング、ETH2.0ステーキングに加え、フレキシブル/定期セービング等、様々なステーキングサービスを利用できるのは、Binanceだけです。
またステーキングの取り扱い銘柄数も、130以上を突破しており、他の仮想通貨取引所とは比較にならないほど、ステーキング可能な銘柄が圧倒的に多いです。
独自ウォレットへ送金する必要が無い
ステーキングは基本的に各銘柄のブロックチェーンと連携した独自ウォレット上で行うことが多いです。
例えば、以下の銘柄は独自ウォレットでステーキングが可能です。
- ATOM(Cosmos)、Kava:TrustWallet
- AVAX:Avalaunch Wallet
- SOL:phantom
これらの独自ウォレットでステーキングする場合は、基本的にBinanceなどの仮想通貨取引所で銘柄を購入し、送金する必要があります。
Binanceでステーキングする場合は、独自ウォレットへ送金するプロセスを省くことができます。
Binanceでのステーキングのデメリット
メリットがある一方、Binanceでのステーキングには、以下のデメリットがあります。
- 独自ウォレットに比べて利回り(APY)が低い
- バリデータ(委任者)を自由に選べない
- 売れ切れの場合はステーキングできない
独自ウォレットに比べて利回り(APY)が低い
Binanceのステーキングの利回り(APY)は、独自ウォレットのステーキングよりも低くなることが多いです。
実際にいくつかのステーキングの利回りを比較してみると、以下の通り、Binanceの方が利回りが低くなっています。
銘柄/利回り | Binanceの利回り | 各独自ウォレットの利回り |
ATOM | 10% | 14% |
AVAX | 8% | 14% |
あくまで憶測ですが、Binance側の利回りが低くなる理由は、Binanceはステーキングのプラットフォーマーであり、利用者に付与されるはずのステーキングの報酬の一部を徴収しているため、利用者の利回りが低くなるという可能性があります。
バリデータ(委任者)を自由に選べない
バリデータ(委任者)とは、一定量の仮想通貨を保有し、ブロックチェーン上でPoSを実行するステーキング先となるユーザーです。
バリデータはPoSに参加するために、一定以上の仮想通貨を保有することでPoSに参加できます(ソロマイニング)。ただし、より多くの仮想通貨を保有することで、より多くの報酬を受け取ることができるため、なるべく利回りを高くし、ステーキング参加者からより多くのステークされる仮想通貨を預かろうとします。そのため、バリデータごとに、利回りは異なります。
独自ウォレットの場合、ステーキング利用者は、自分でステーキング先であるバリデータを選ぶことができます。一方、Binanceのステーキングでは、自由にバリデータを選ぶことはできません。
売れ切れの場合はステーキングできない
Binanceステーキングで、売れ切れの場合は、ステーキングできません。
独自ウォレットでは基本的に売れ切れのような状態がないため、Binance特有のデメリットです。
Binanceでステーキング可能な銘柄一覧
Binanceでは、各ステーキングごとに以下の銘柄数がステーキング可能です。
- 定期ステーキング:104銘柄
- DeFiステーキング:13銘柄
- ETH2.0ステーキング:ETHのみ
- フレキシブルセービング:151銘柄
- 定期セービング:12銘柄
定期ステーキングとフレキシブルセービングで、PoSを実装したステーキング可能な銘柄のほとんどをカバーしています。
150以上の銘柄のステーキングが可能なほど、豊富なステーキング銘柄数がある仮想通貨取引所は、Binanceだけでしょう。
Binanceで仮想通貨をステーキングする方法
ここからは、スマホアプリでのフレキシブルセービングの方法を参考に、Binanceでのステーキングの方法を解説します。
スマホアプリ版では、フレキシブルセービングのみ利用できます。
それ以外の定期ステーキングやDeFiステーキングは、Web版でのみ利用可能です。
具体的な手順は、以下の5ステップです。
- Binanceの口座を開設する
- コインチェック(Coincheck)でBTCを購入する
- コインチェック(Coincheck)からBinanceアプリにBTCを送金する
- BinanceアプリでBTCをステーキングする銘柄にコンバートする
- フレキシブルセービングで仮想通貨をステーク(ロック)する
BINANCEの口座を開設する
まずは、BINANCEの口座を開設しましょう。
BINANCEの口座開設が完了したら、取引を開始するために、本人確認のSTEP1を完了させましょう。
STEP1は、
- パスポート
- 運転免許証
などの本人確認書類があれば問題ありません。
本人確認は住民票を提出するSTEP2までありますが、STEP1だけで問題ありません。
コインチェック(Coincheck)でBTCを購入する
次にコインチェック(Coincheck)でBTCを購入します。
そのため、この後
- 日本の取引所でBTCを購入する
- Binanceに送金する
- BinanceでBTCを交換(コンバート)する
という手順が必要です。
BTCを買うなら、日本の取引所でランキングが1位のコインチェック(Coincheck)がおススメです。
コインチェック(Coincheck)からBinanceアプリにBTCを送金する
コインチェック(Coincheck)などで購入したBTCを、BINANCEアプリに送金します。
BINANCEへの送金方法は、以下の手順です。
- BINANCEのBTC受け取り用アドレスをコピーする
- コインチェック(Coincheck)の送金先に受け取り用アドレスを張り付ける
- 送金申請を行う
無事に送金申請が受理されるとBINANCEへの送金が実施されます。
なお、BTCのトランザクションは最大10分ほどかかりますので、BINANCEへの着金完了を待ちましょう。
【注意】初めての送金ならテスト送金をすること
ちなみに、初めて仮想通貨の送金をするのであれば、必ずテスト送金をしましょう。
なぜなら、仮想通貨を送金する際に、誤ったアドレスに送金申請をすると、送金した仮想通貨が返ってこなくなる可能性があるからです。
そのため、BINANCEにBTCを全額送金する前に、最低送金額でテスト送金を行い、ちゃんと着金することを確認しましょう。
BinanceでBTCをステーキングする銘柄にコンバートする
BINANCEにBTCが着金したら、ステーキングする銘柄にコンバート(交換)します。
コンバートとは、ある通貨を他の通貨に交換することです。
BINANCEアプリでのコンバートの方法は以下の通りです。
- アプリの中央下をタップ後、「コンバート」をタップ
- 振替元にBTC、振替先の銘柄を選択し、コンバージョンプレビューを確認
- コンバートを実行
コンバートが成功すると、現物ウォレットに振替先の通貨残高が反映されます。
フレキシブルセービングで仮想通貨をステーク(ロック)する
最後に、コンバートした銘柄を、Binanceアプリ上でフレキシブルセービングでステーキングします。
各銘柄にはステーキングの最小ロック数量が決まっているため、事前に確認しておくことをおススメします。
BINANCEアプリでの定期ステーキングのやり方は、以下の通りです。
- アプリの右下をタップ→貯金箱ロゴの「収益」をタップ→左下「商品を獲得する」をタップ
- ステーキングしたい銘柄のフレキシブルセービングにある「定期登録をする」をタップ
- ステーキングする数量を入力し、サービス規約に同意して「定期登録する」をタップ
これでステーキングは完了です。
ステーキング報酬は、翌日からアプリ上に反映されます。
Binanceでのステーキング報酬の確認方法
Binanceアプリでのフレキシブルセービングでは、ステーク開始から2日後に報酬が付与されます。
BINANCEアプリでのステーキング報酬の見方は、以下の通りです。
- アプリの右下をタップ→貯金箱ロゴの「収益」をタップ→右下「私の資産」をタップ
- 「最終日の報酬」と「累積報酬」を確認
最終日の報酬に表示されたのが、最新日に付与されたステーキング報酬です。
また、累積報酬ではこれまでに付与されたステーキング報酬の総額を確認することができます。
なお、ステーキング報酬の引き出しには手数料などは発生しません。
報酬の引き出しの際には、ステーク(ロック)中の仮想通貨を償還する必要があります。
Binanceでのステーキングの償還方法
ステーク(ロック)中の仮想通貨を償還すると、ステーク中の銘柄と付与された報酬が
BINANCEアプリでのステーキング報酬の見方は、以下の通りです。
- アプリの右下をタップ→貯金箱ロゴの「収益」をタップ→右下「私の資産」をタップ
- 償還したい銘柄をタップ
- 「償還」をタップ
- 償還方式を選び、償還する数量を入力
- サービス規約に同意し、「確認」をタップ
なお償還方式は、2通りあります。
- 通常償還方式:資産を翌日に償還され、その間のステーキング報酬も受け取ることができる
- 高速償還方式:償還を申請した当日に資産が償還される
どちらでの大差はありませんが、通常償還の方がより多くステーキング報酬を受け取ることが可能です。
Binanceのステーキングのまとめ
Binanceのステーキングに関するまとめは、以下の通りです。
- Binanceでは4種類のステーキング方法がある
- Binanceでは低リスクで様々な銘柄にステーキングできるが、自由度が少ない
- Binanceでステーキングするなら、日本の取引所で仮想通貨を購入し、Binanceに送金する