SAG-AFTRA（全米俳優組合）は、ハリウッドの映画会社との間で「仮の合意」に達し、俳優たちを「AIの脅威」から守るための規定を含む数か月に及ぶストライキを終結させました。SAG-AFTRAは、TV/映画交渉委員会がハリウッドの映画会社を代表する業界団体であるAMPTP（アライアンス・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレビジョン・プロデューサーズ）との仮契約を全会一致で承認したことをTwitter上で発表しました。
SAG-AFTRAは「10億ドル以上の価値のある契約で、最小報酬の増加などの非常に包括的な条件を実現し、AIの脅威からメンバーを保護するための同意と報酬に関する前例のない規定を含んでいます」と述べています。具体的な合意内容の詳細はSAG-AFTRAの全国理事会がレビューを行った後に公開される予定ですが、先週末に俳優組合による最終提案が行われた後、映画会社がAIの規制について譲歩したと報じられていました。
ハリウッドの業界紙『Variety』によると、双方は交渉の難航点となっていた「AIに関するいくつかの未解決の問題」を解決したとのことです。『The Hollywood Reporter』によると、AMPTPの提案に含まれていた特定のAI条項がSAG-AFTRAを怒らせたと報じられており、それはシリーズレギュラーや劇場映画の最低報酬よりも高いギャランティを受けるSchedule FのパフォーマーのAIスキャンの費用を映画会社が負担することを可能にするものでした。
この条項によって俳優の死後でもスタジオがそれらのスキャンを使用することができるようになり、その際に遺産や組合の同意を得る必要がありませんでした。SAG-AFTRAは、スキャンの再利用に対する報酬と同意の確保を求めました。
ストライキの解決により、2024年の映画やテレビの制作は2024年の開始時点から再開される可能性があり、それによって数か月にわたる制作の混乱が収まります。
