現在、話題沸騰中のNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)。
ブロックチェーン技術を使い、デジタルアートやデジタルコンテンツなどを保存することで、この世に1つとないNFTコンテンツを作り出すことができます。2019年頃から注目を集め、2020年後半からは、BTCをはじめとする暗号通貨へのに人気の高まりに付随する形でさらに脚光を浴びました。
その結果、Twitter創業者のジャックドーシー氏の最初のツイートが化され、約3億円で落札されるなど、NFTアートの販売価格が高騰する現象が起こっています。
今回は、そんなNFTの購入方法と、日本でNFTが購入できるサービスをご紹介します。
NFTの購入ルート
NFTの購入方法は大きく分けて、以下の3つです。
- NFTマーケットプレイスで買う(BtoC)
- NFTマーケットプレイスでトレードする(CtoC)
- NFTゲーム内で買う
NFTマーケットプレイスで買う
NFTで最も簡単な購入方法は、NFTマーケットプレイスで購入することです。NFTマーケットプレイスとは、NFTを暗号通貨で取引できるサービスです。
現在日本には、以下のNFTマーケットプレイスがあります。
例えば、2021年3月にリリースされた「CoinCheck NFT(β版)」は、サービス開始から約1週間で利用者数1.2万人を突破しました。さらに現在マーケットプレイスで取引可能な「CryptoSpells」や「The Sandbox」といった人気のブロックチェーンゲームのみならず、アートやスポーツなど幅広い分野のNFTの取り扱いを表明しています。
また、NFTマーケットプレイスでは、定額ではなくオークション方式で売買されるケースもあります。
例えば、2021年4月22日にTwitter創業者のジャック・ドーシー氏の初ツイートが、NFTマーケットプレイスである「Valuables」にて、オークションの結果、約3億円で落札されました。このように非常にレア度が高いNFTは、オークションにかけられることがあり、これもNFTを購入する方法の1つです。
NFTマーケットでトレードする
NFTマーケットでは、定額もしくはオークションでNFTを購入することが可能です。ただし、こちらは主にBtoC取引がメインとなっています。
一方、NFTのCtoC取引として、各ユーザーがNFTを持ち寄り、フリマアプリのメルカリのように、ユーザー間で交換することが今後実現する可能性があります。
例えば、デジタルコンテンツ販売を手掛けるメディアドゥは、提携企業先の書店で書籍を購入するともらえる、NFTを使ったデジタル付録を、個人ユーザー間でトレード可能とするNFTマーケットプレイスの構想を発表しています。
このメディアドゥのNFTマーケットプレイスは、
- グローバルで取引可能(日本円や米ドルで取引可能)
- デジタル付録の売買・取引履歴を可視化(著者・出版社に還元可能)
- デジタル付録以外の事業モデルも検討中
といった特徴を持ち、幅広いNFTトレードが期待されています。
NFTゲーム内で買う
NFTゲームとは、ゲーム内アイテムなどのデジタルコンテンツがNFTで登録されているゲームを指します。このNFT化されたデジタルコンテンツは、コレクションとしてユーザー向けに販売することが可能です。
具体的には、ゲーム内のアイテムをNFT化することで、NFTが持つ証明性によって、唯一無二のゲームアイテムにすることができます。実際に、NFTゲーム内ではレア度が高いアイテムが高額で取引されることがあります。
例えば、アメリカのバスケットボールリーグのNBAのデジタルトレカ「NBA Top Shot」は、NFTを使いデジタルカードを発行しています。このデジタルカードには、選手が試合で見せたプレー動画が入っています。このデジタルカードは、アプリ内のマーケットプレイスで売買可能であり、レア度が高い人気選手のカードは高額(最大で2000万円)で取引されています。また、ゲーム内で購入したNFTは、外部のNFTマーケットプレイスで販売することも可能です。
NFT購入に必要なモノ
NFTマーケットプレイスで、NFTを購入するためには、以下の3つが必要です。
- NFTマーケットプレイスのアカウント
- NFTマーケットプレイスで利用可能な暗号通貨(例:ETH)
- 暗号通貨のウォレット(例:MetaMask)
まず、NFTマーケットプレイスのアカウントが必要です。日本初のNFTマーケットプレイスを開始したコインチェックの「CoinCheck NFT」は、CoinCheckのアカウントがあれば大丈夫です。
また、NFTの購入は基本的に暗号通貨が行われます。そのため、NFTマーケットプレイスごとで取引に利用できる暗号通貨を準備する必要があります。先ほど挙げた「CoinCheck NFT」では、以下の13個の暗号通貨に対応しています。
Coincheck NFTで使える暗号通貨(13種)
- BTC
- ETH
- ETC
- LSK
- FCT
- XRP
- XEM
- LTC
- BCH
- MONA
- XLM
- QTUM
- BAT
- IOST
- ENJ
最後は、暗号通貨のウォレットです。このウォレットは、NFT購入に必要な暗号通貨を保管することと、購入したNFTを保存するために必要です。NFTはブロックチェーン上に記録されているため、ブロックチェーンIDをウォレットに登録することで、NFTを保有していることを証明できます。
例えばCoinCheck NFTの場合は、外部ウォレットとして、「MetaMask(メタマスク)」を使用します。MetaMaskは、イーサリアム系のトークンを保管するための誰でも無料で使える、Webウォレットです。CoinCheck NFT内で購入したNFTを、MetaMaskに移動(出庫)することで、NFTを保管できます。
NFTの購入方法
ここでは、NFTの購入方法を、CoinCheck NFTを参考に解説していきます。
【事前準備】
- CoinCheckアカウントを開設
- CoinCheck口座に購入に使用する暗号通貨を保存
- 外部ウォレット「MetaMask」を用意し、CoinCheckアカウントと連携
【購入方法】
- NFTマーケットプレイスで購入したい商品を選択
- CoinCheck内の暗号通貨でNFTを購入
- 購入後、出庫先に連携したMetaMaskを選択
- 出庫申請をし、MetaMask内にNFTがあれば完了
海外のNFTマーケットプレイスでの購入方法
海外のNFTマーケットプレイスでも、NFTの購入方法は基本的に変わりません。NFT購入に必要なモノを揃え、マーケットプレイスとMetaMaskとの連携ができれば、同じような方法で購入可能です。
ただし注意点として、NFTマーケットプレイスによって利用できる暗号通貨が異なることや、手数料がかかってしまうことが挙げられます。例えば、世界最大級のNFTマーケットプレイスである「OpenSea」は、ETHの利用に付き、GASという手数料がかかります。このGASの価格はETHの価格によって変動するため、手数料が高くなってしまう可能性があります。
国内と海外のNFTマーケットプレイス一覧
ここでは、実際にNFTを購入できるNFTマーケットプレイスをご紹介します。
【日本】
【海外】
- OpenSea
- NBA Top Shot
- Valuables
- Crypto.com NFT Platform
- NFT Showroom
- Enjin Marketplace
- Rarible
- SuperRare
- Treasureland
- Nifty Gateway
- Axie Infinity Marketplace
- Blockparty Marketplace
- Cryptokitties Marketplace
- larvalabs
- Ethermon Marketplace
- TokenTrove
- Known Origin
- Makersplace
- World of Ether Marketplace
- Ethernity Marketplace
- MLB Champions Marketplace
- Waxstash Marketplace
- Alcor Exchange
- GhostMarket
日本でも複数のNFTマーケットプレイスが誕生しており、今後NFTマーケットプレイスを開始することを表明している企業もあります。
また、世界最大級のNFTマーケットプレイスである「OpenSea」など、海外のNFTマーケットプレイスの方が取引数や取引総額が日本よりも大きいです。
しかし、海外のNFTマーケットプレイスは、取引数が多いことが魅力的ですが、特定の暗号通貨を準備する必要や、高額な取引手数料がかかってしまうなどのデメリットもあります。
もし、NFT購入を検討されているなら、まずは日本国内のNFT取引所で購入してみることをおススメします。